2005年1月7日〜9日,雪の降る北海道札幌市内で日教組第54次教育研究全
国集会が開催され,春教組からは岡田副組合長を団長に,10名がオブザーバーとして参加しました。
森越康雄日教組委員長の「すべての子どもたちに平等で質の高い教育を」「すべての人びとにパンと自由と平和を」という呼びかけや「教育基本法を読み生かし,社会的合意の形成を,人権・平和・環境・共生の教育をすすめよう」という基調報告のもとで教研集会が行われました。25の分科会及び特別分科会「学力問題」において,「教育基本法を読み生かす実践を」「5日制の中での教育課程編成を」「平和・人権・環境・共生の教育を」を共通課題としてリポート報告がなされ,熱のこもった質疑,討論が行われました。
春教組からは,社会科教育の戸村利行先生(不二小分会)が正会員として参加し,実践報告を行いました。戸村先生の報告は「未来を創造する力を育てる社会科学習」という研究主題で,一人ひとりが幸せを実感できる民主的な社会を形成するために,未来社会のあり方について考え,その実現にむけて社会に提案していく社会科学習の必要性が強調されたものでした。学区の安全について調べ,安全マップにまとめ,問題点やその対策を行政や地域に提案することで,地域の現在や未来について考える学習が報告されました。この報告は社会科学習を通して「生きる力」を育む学習指導のあり方に一石を投じるものとして高い評価を受けました。
国語教育 武田真子先生(坂下小分会)
「日本語教育でどのようなことばの力をつけるのか」を大きな柱に,多様な視点から活発な討議がなされました。自らを自分のことばで語ることや,文章を自力で読解し論理的に表現することを目指した実践等とても参考になりました。
外国語教育 四宮恭代先生(知多中分会)
「外国語教育の現状」「外国語を通しての平和,人権,環境問題」「多文化理解と国際理解」「学力と評価」「授業実践の工夫」の5本柱をもとに,活発な討議がなされました。これからの外国語教育についてのあり方,そこで求められるもの,その中での外国語教師の役割などについて考えるよい機会となりました。
社会科教育 西本優一先生(柏原小分会)
すべての子どもたちを「学びの主体」とするための社会科教育について,熱心な討論が行われました。特に今日的で切実な問題をとらえながら,子どもたち自らが教師とともに「平和」について考える必要性があるという提案が印象的でした。
保健体育(保健) 高橋亜弥先生(南城中分会)
「多様な存在である子どもの理解を踏まえた支援」を柱に,様々な角度から健康教育への取り組みが報告されました。その中で,私たちの健康観を問い直すことの必要性が叫ばれたことが,心に残っています。
生活指導(中) 吉田勝俊先生(東部中分会)
教育基本法の改正問題に始まり,非行問題,不登校,引きこもり等,今日学校現場で私たち教師がかかえる問題について,リポートをもとに,熱心な議論がかわされました。今後の生活指導の在り方を考えさせられました。
障害児教育 南野美貴先生(柏原小分会)
特別支援教育,共生・共学,就学・進路保障について,熱心な討論がなされました。障害者本人や障害者の親の参加が多く,たくさんの生きた発言を聴き,考えさせられることの多い分科会でした。
美術教育 井村陽子先生(白山小分会)
「向き合う美術教育」を柱に熱心な討論が行われました。絵が描けないとか描き方がわからないという子どもの訴えの切実さと,そのためには人が向き合って共感することが大切ではないかという意見が心に残りました。
技術教育 湯浅 公先生(中部中分会)
若年層の雇用問題から労働への手ほどきとしての技術教育について討論が展開されました。各リポートでは,木材の強度試験やかんなくずの再利用,プログラム制御など本格的な技術教育の授業実践が多く報告されました。
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