2003年度の春教組の最初の行事として,5月30日・6月9日の両日にわたって第1回力量UPセミナーを開催しました。今回は,名古屋市西部地域療育センター所長の石川道子先生をお招きし,「特別な支援を必要とする子への対応」をテーマに連続講座でご講演いただきました。今,多くの学校や学級で直面している問題について,具体的な事例を示していただきながら分かりやすくお話していただき,多くの参加者とともに学習を深める機会となりました。 <連続講座1 基本編 5月30日>
- PDDなど学童期に同年齢集団の中で目立ったり,問題行動が見られたりする子の特徴をよく理解する必要がある。
- これらの子どもに対しては,これまでの通常の対応の仕方では効果が上がりにくい。状態に合った対応が必要である。
- 具体的な対応の例として
- やることを具体的に提示して,ルールに合わせて動くことができるようにする。
- 視覚情報で伝達し,約束事を文字にする。
- 否定語,禁止後はなるべく使わず,目で見える形でほめる。同時にたくさんのことを行わせない。など
- 一度に一つのことをさせる。
<連続講座2 応用編 6月9日>
- 現在の学校現場の状況で考えると,PDDの子たちの対応を考えることは,一般の子たちについてよく考えることである。
- 日々完璧には無理がある。1年間での成長を確認できればよい。
学校だけがこれらの子の社会的自立をさせてあげられる場所である。じっくり時間をかければ必ずよくなる。 - 具体的な対応の例として
- 低学年は,先生の指示をよく聞き行動すれば,うまくいくという認識をさせられように教師が実行する。
- 高学年は,わからない・できないときは騒がない・目立たないことを教える。どこかで全体の中で賞賛を浴びる場面を設定する。
- その子の状況や様子がつかめるようになったら,先手先手に対応したり,目で見ることで手がかりとなり,結果が明確になるように示すと不安が取り除かれる。
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